空菊花誕生 Birth of the Empty Chrysanthemum



Birth of the Empty Chrysanthemum
空菊花誕生

The “Birth of the Empty Chrysanthemum”  depicts an event in space where the five Dhyani Buddhas, envisioned as colored norbu, emerge from a fractal vagina, slip through a warpped passageway where they flower as void chrysanthemums. In this instance, the empty chrysanthemum is an enlightened Japan, perhaps the best therapy after the horrors. I seem to be stuck in LEO, low earth orbit, and now imagine all sort of things happening just above us in space. You have to admit, the view is spectacular up there.

Plus, the emptiness itself is unique, vast beyond measure and forms the substrate of consciousness. At any given moment, somewhere in completely empty regions of space, a hydrogen atom just pops into existence. Just like that, just as if it popped into your imagination. One moment there is absolutely nothing and the next moment there is a complete hydrogen atom. You can listen to these atoms in space at 21cm, or 1420.40575177MHz. Every time a hydrogen atom reverses its polarity and flips , it emits a radio burst at that frequency. The sound is analogous to the whale songs that saturate the oceans on earth.

馬鞭
H.R. Downs
http://www.mabian.biz/

Birth of the Empty Chrysanthemum
空菊花誕生 (空性の菊の花の誕生)

それは虚空(宇宙)で起きた出来事.
自らを入れ子にして無限に入り組んだフラクタルの女陰から,
世界の素となるの五つの果実(五智如来)が色づき,零れ落ちる.

五色の果実は,
無限と有限を結ぶ暗き産道を飛び出した直後から,
いずれ朽ち果て滅び去るべき運命にある.
とはいえ,枯れても枯れても互いに自らを他の肥やしとしながら,
この世のある限り,「命」という空性の菊を繰り返し咲かせ続ける.

空性の菊の花とは,どんなに悲しみに満ちていようと,慈しみの心を忘れない日本人の姿を象徴しています.
願わくば,この絵が,このたび災害に遭われた人々の悲しみと孤独をいくらかでも癒せるものとなりますように.

いずれこの地球を立ち去らねばならないのなら,せめて私は大気圏すれすれの低軌道 (LEO: low earth orbit) から,飽きるまで大地を海を見下ろしていたい.同時に,地球上の全ての同胞たちの頭上にあって,手がかりも足がかりも無いまま拡がる宇宙の真っ只中に,喜びも悲しみも含め全ての出来事の発端と終焉があること.そのことをみんなに知らせたい.私たちはそれを受け入れるほか無い.その眺めはきっと悲しみを超えて素晴らしいものだろう.

私にとっての「空」は,そうした宇宙の測り知れない存在のあり方を指し示す「仮称」のようなものです.ひたすら生き延びようとすることこそが人間の生理的本能的な目的なのだとしたら,その思惑を超えた巨視的レベル,微視的レベルで,今この瞬間にも現れては消えていく宇宙の不思議さ,はかなさがあります.全ての人がそれを新しい世界観として共有することができたなら,人間は一人一人の命のもろさを超えて,生きとし生けるものすべてのためにいずれ何かしらを見つけ,育てていくことができると信じている.

私たちに与えられた短い時間の中でさえ,今この瞬間にも,宇宙のどこかしらで,完全な虚無の中から,無数の星が実存を抱いて飛び出してくる.まさに,ただかくの如く来たれり!誰かがそう在れと強く願うなら,この広い宇宙のどこかしらには既に人が思いつく限りの物は実在し,なぞを解く鍵はそこいら中に転がっているのかもしれない.一瞬前までは,ただひたすらの虚無だった宇宙に,次の瞬間、完璧な一個の水素原子が自らをひねり出し,生まれてくる事実があるように.

およそ星々の集まるところに,遠くにも近くにも宇宙のそこかしこに存在する水素原子.波長 21.106114 cm = 周波数 1420.40575177 MHz を捉えれば,水素原子の発する騒々しい音が宇宙をにぎわしているのを実際に聞くことが出来る.これは一個の水素原子において,陽子の周りを公転する電子の自転極性が陽子そのものと同方向の場合と,逆の場合とで,保持できるエネルギー量に差があることによるもので,ごくまれにこの逆転現象が起きる時,外に向かって放出されるエネルギーが,この周波数の電磁波となって届くのだという.それは確率の上では在り得ないほど滅多にしか起こらないはずのことなのに,宇宙があまりにも大きく膨大な量の水素を抱えているために,この音が鳴り止むことは無く,その音は、地球の海を満たすクジラの歌声ともどことなく似ている.

2011年春

馬鞭 (マービン)
H.R. Downs
http://www.mabian.biz/

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